2025年大阪・関西万博
2025年大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日の会期で開催されます。
世界各国が各回のテーマに沿ってアイデアやイノベーションを紹介し、課題解決策を発信するのが万博です。企業が自社製品等を展示する国際見本市とは異なり、企業間の商談や取引を目的とするものではありません。万博の対象は業界関係者ではなく、まず何よりも一般の人々です。お子様連れのご家族、児童・生徒、学生、ご年配の方々など、誰にでも開かれています。来場者の方々に変化に富んだ忘れがたい感動の一日を過ごしていただきながら、世界が直面する諸問題について考えてもらうのが狙いです。来場者は、その万博のテーマが投げかける問いに自然と考えをめぐらし、人々が輝ける未来に貢献するために日々の暮らしのなかで実践できるヒントを見つけることができます。
国際博覧会(いわゆる万博)は、通常6カ月の会期で5年ごとに開催されます。前回の万博は2021年/2022年のドバイ万博でした。そして、次の万博は2025年に大阪でその幕を開けます。万博では、参加国によるナショナルパビリオン出展が行われます。
パリに本部を置く博覧会国際事務局(Bureau International des Expositions、BIE)です。世界各国が加盟する組織であるBIEに、万博開催地への立候補が行われます。そして、BIE総会での加盟国の投票により開催地は決定されます。
もちろんです。人にとって視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚という五感を通じた体験はとても大切で、それなしには本当の理解は成り立ちません。万博を訪れ、参加国の出展に実際に触れて体験することではじめて、参加国のメッセージを感じ取り、自らの考えを形成することができます。6カ月間にわたり世界中からこれほど多種多様な人々が集い、対話できる場は他にありません。万博会場で来場者はいわば「世界旅行」を楽しめるわけです。そうして、参加国・企業団体が発信する多様な自国像(自社像)に触れることで、自らの暮らしを見つめ直すヒントを得ます。このような体験は、動画、画像、ウェブサイトなどには代えられないものです。
もちろんです。多様な参加国・企業団体の出展はバラエティーに富み、見所も満載です。ときには目を見張ることもあるでしょう。来場者が展示物を直接操作でき、インタラクティブな展示を行うパビリオンも数多くあります。また、そこには世界中の人々との出会いが待ち受けています。万博会場に入るには入場料がかかりますが、パビリオン入館に別途の料金は不要です。万博主催者や出展国・企業団体が催す各種文化体験プログラムも同様に無料で、食の体験を提供する飲食施設も充実しています。楽しみながら学べる展示で、来場者に多くの「気づき」をもたらします。心ときめく瞬間を積み重ねた後、いつまでも忘れがたい出会いと感動の思い出が心に残るでしょう。
いいえ、参加国には支払われません。入場料はすべて主催者に帰属します。広範なインフラ整備のための膨大な投資を行い、関連の計画と工事を支援し、施設の整った万博会場を参加団体に提供するのは、最終的には主催者の任務です。そのほかにも主催者は多大な費用を伴う万博の広報活動を担うほか、会場までの交通手段、入場管理、会場内の道路や移動手段などの来場者の流れを管理する責任を負います。主催者側の費用を賄うのに入場券収入だけでは全く足りないこともあり、入場料が主催者に帰属することにも納得がいきます。
この度の万博テーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」です。そのサブテーマには、Saving Lives(いのちを救う)、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)が設けられています。今回の万博は「未来社会の実験場(People’s Living Lab)」として位置づけられています。
これらのテーマを掲げた2025年大阪・関西万博は、一人ひとりが望む生き方を考えるきっかけとなり、持続可能な社会の共創を国際社会に訴えかけることを目指します。
また、2025年大阪・関西万博は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に大きく資するとともに、これらの目標達成に向けた取り組みを促進するプラットフォームとなります。
2025年大阪・関西万博に出展
万博の会場は大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲です。会場面積は155ヘクタールとなっています。
最寄りの空港は関西国際空港(50km)や神戸空港(36km)です。会場周辺15km圏内にはパーク&ライド施設が設けられ、駐車場から万博会場までバスが出ています。さらに、主要な駅との間にはシャトルバスが運行され、フェリーで海上からのアクセスも可能です。皆さまのご都合に応じて最適な交通手段をご利用いただけます。夢洲までのメインルートとなる北港テクノポート線は、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅に接続しています。
入場券(共通券のみ)は所定の時期に発売開始され、運営団体からのみご購入いただけます。入場券は会場全域で有効ですので、会場内すべてのパビリオンを見学できます。なお、ドイツパビリオンでは入場券の販売は行っておりません。
万博敷地内へのペット持ち込みは禁じられています。ただし、盲導犬などの補助犬はその例外となります。
万博は2025年4月13日~2025年10月13日の期間、毎日午前9時から午後10時まで開場しています。
ドイツの万博参加
2025年大阪・関西万博は、先進的で未来に開かれた国というドイツ像を開催地域や世界中から訪れる来場者の方々に紹介する格好の機会です。ドイツパビリオンでは最新の情報技術を駆使した魅力的な体験型展示により、技術・経済・文化の面からドイツの多彩な可能性を発信し、万博テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向けたソリューションを提案します。ドイツは早くからイノベーションや環境保護に取り組んできた歴史のなかで、数多くのコンセプトとアイデアを生み出してきました。世界的なアイデア共有の場において、そのドイツだからこそできる貢献があると考えています。
その一方で、万博においてドイツには国際社会の重要な構成員としてふさわしい出展が期待されています。
そこで業界関係者だけに焦点を当てるのではなく、世界中の市民社会全体に向けてメッセージを発信します。その意味で、ドイツの多彩な魅力を広くアピールするという国家的なマーケティングの視点からも、万博は見逃せない機会なのです。もちろん、最終的には観光産業振興もドイツの出展目的の一つです。ドイツの万博出展のために、ドイツ連邦議会は約5千万ユーロの予算を可決しています。これはプロジェクト全体の予算で、出展の企画やコーディネート、展示デザイン、建築設計・施工、報道関連機材、人件費を含めた運営、会期後の解体・撤去までの一切の費用を補填するものです。
特定の万博のための予算がドイツ連邦議会により可決され、税収を財源とする国家予算に組まれています。大阪のドイツパビリオン出展にかかるすべての費用は、この固定予算から捻出されます。
ドイツパビリオンはスポンサーからの協賛金なしに運営されます。これには、それなりの理由があります。プロジェクトやイベントに民間からの資金が流れる場合、その資金提供はコンセプトに自らの意向を反映したいと考えるものです。一本の筋が通ったシナリオに基づく、一貫性のある魅力的なパビリオンを創出するにあたり、こうしたスポンサーの利害は妨げになりがちです。ドイツパビリオンは企業の意向を排除し、未来に向けた独自のコンセプトや課題解決策を打ち出します。
過去の万博でもドイツパビリオンはいつも盛況で、人気を集めました。来場者やメディアに深い印象を与え、ドイツの好感度を一層高めるのに貢献しています。2020年ドバイ万博のドイツパビリオンで行われた標本調査では、ドイツは万博テーマを「非常によく反映している」または「よく反映している」と答えた人の数が回答者全体の98%にのぼり、回答者の93%が「ドイツパビリオンの見学を人に勧めたい」と答えました。万博は取引の成約件数などを記録するものではないので、測定可能な「投資利益率」などの経済的指標では評価できません。
それでも、当然のことながら税金の使い途には責任ある配慮がなされています。すべての関連役務の調達は透明性のある入札で行われ、経済性に最も優れたものをもって申込みをした者を落札者とします。管轄官庁のドイツ連邦経済省は予算の枠を守りながら、万博で注目されるパビリオンを実現することを非常に重視しています。万博の規則によれば、参加国・企業団体は開催終了後6カ月以内に開場敷地を貸与された当初の状態で主催者に返還することになっています。つまり、ドイツは参加国として現地の設置物をすべて解体・撤去する義務を負います。
そのため、パビリオンは6カ月の期間にわたり多数の来場者を受け入れられるように建てられた仮設建築物です。パビリオンは軽量構造で設計され、万博開場中の営業に伴い展示室、レストラン、事務所などの特殊用途のエリアや空間に求められる要件を満たしています。建物全体は循環経済の観点から設計されており、万博終了後に素材の循環ループに戻されます。しかし、どのような形の再利用であっても、そのための改造や改質には大きな手間と費用がかかります。また、万博の運営と資金調達も確実に担わなければなりません。そのなかで、ドイツは万博という大規模イベントにおいてパビリオン運営を成功に導いてきた実績をもちます。期間限定の開催という点は、実は万博の魅力でもあります。早くも2~3年後には、テーマも開催地も新たにした万博でドイツパビリオンは再び皆さまをお迎えします。ドイツのテーマは循環経済です。また、国連の持続可能な開発目標から目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)と目標11(住み続けられるまちづくりを)を選び、ドイツパビリオンで展開します。万博のサブテーマとしては、「Connecting Lives(いのちをつなぐ)」を取り上げています。
このタイトルにはドイツパビリオンのエッセンスが込められています。具体的には・・・
• ドイツパビリオンのテーマである循環経済の環(わ)を表しています。
• 循環経済が目指している自然と技術の調和を表しています。
• 「わ!」と思わず感嘆の声があがるような展示であることを表しています。
ドイツ館訪問
これまでの経験からいうと、万博は見どころが多くて一日では回り切れません。複数のパビリオンを見学し、各種の催し物に参加するには数日を要します。パビリオンによっては待ち時間が長いところもあるので、時間的な余裕を見て計画することをお勧めします。万博を一日だけ訪れる方は、会場を回る順番を予め決めて、人気パビリオンには朝の早い時間帯に足を運ぶとよいでしょう。
ドイツ館のステージプログラムをご覧になるのに、特別なチケットは要りません。そのために順番待ちの行列に並ぶ必要もなく、イベントが始まったらパビリオンの敷地中央にあるステージの方に、ご自由にお越しください。
ドイツパビリオン前の行列は入館の順番を待つためのもので、屋外のエリアの出入りには関係ありません。ですから、ステージプログラムや敷地内ガーデンの展示は、自由にご見学いただけます。
いいえ、パビリオン入館のために別途必要なチケットはありません。ご購入いただいた入場券で、会場敷地内のすべてのナショナルパビリオンを見学できます。
ドイツパビリオンは開場後早くから行列ができるほど高い人気があります。そのなかで、すべての来場者にとって入場の機会が平等となるように、ドイツ国旅券(パスポート)の提示による優先入場は行っておりません。関係者の皆さまのご理解をお願いいたします。